【持ち家のデメリット】賃貸にはなくてマイホームには有る5つのコストをプロが解説

イホームを手に入れるには、どれほどのコストがかかるのでしょうか?

住宅販売のチラシで見るような住宅の価格は、コストの一部に過ぎません。

住宅ローンの返済、メンテナンス費、各種税金など、どんなコストがかかるのかを知らずにマイホームを購入するのは、非常に危険です。

この記事では、「賃貸にはないがマイホームにはある」という5つのコストについてご説明します。

持ち家のデメリットとなる事実もしっかりと見据え、「マイホームか賃貸か」の答えに近づいてください。

「マイホームか賃貸か」論争について

「マイホームか賃貸か」論争について

繰り返される「マイホームか、賃貸か」の論争。

結論としては「その人やその人の状況による」以外にありません。

この論争に、誰もがあてはまる結論はないと考えるべきでしょう。

賃貸には賃貸の、持ち家には持ち家のよさがあります。あくまでも「自分」にとってはどちらがいいのか、時間をかけて検討することが重要です。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

『夢のマイホーム』ではないかもしれない話

『夢のマイホーム』ではないかもしれない話

ひと昔前は「夢のマイホーム」という言葉が頻繁に使われました。

数千万円の大きな買い物を成し遂げることは「人生の成功例」としても非常にわかりやすく、「夢を叶えた結果」として、多くの人々が憧れたのです。不動産会社や住宅会社も、販売活動における有効なキャッチコピーとして活用しました。

しかし、「夢のマイホーム」という言葉には裏がありました。マイホーム購入の「現実」が隠れてしまうのです。

ローンを組んで家を購入することは、数千万の借金を背負うことになります。

また、住宅ローン返済のお金以外にも税金や設備費などの「維持費」がかかります。

最近では「住宅ローン破綻」といった言葉もよく耳にするようになりました。身の丈に合わないローンを組み、結局はマイホームを手放すことになってしまうケースです。

これを避けるためにも、マイホーム購入における現実的な問題、特に資金について、よく理解しておきましょう。

当事務所では、マイホームのデメリットを包み隠さずお伝えしています。

マイホームにある5つのコスト

マイホームにある5つのコスト

マイホームを維持する上での「コスト」とはどんなものでしょうか。

住宅ローンの返済「以外」に、プラスして備えておかなければならないお金についてご説明します。

マイホームのコスト①固定資産税・都市計画税

マイホームを持つことでかかる税金は、次の2種です。

「家屋」と「土地」それぞれに課税されます。

  • 固定資産税:家や家屋などの「固定資産」を所有する人が支払う税金
  • 都市計画税:都市計画事業や土地区画整理事業などの費用とすることを目的とした税金。固定資産税と共に徴収される。

どちらの税も、その土地の価値を表す「固定資産税評価額」に、一定の税率を掛けて算出します。

【固定資産税の税額】
課税標準(固定資産税評価額)×1.4%(標準税率。自治体によって異なる場合もある)
※「小規模住宅用地の軽減措置」により、200平方メートル以下の部分については課税標準×6分の1

【都市計画税の税額】
課税標準(固定資産税評価額)×0.3%(制限税率。自治体によって異なる場合もある)
※「小規模住宅用地の軽減措置」により、200平方メートル以下の部分については課税標準×3分の1

固定資産税と都市計画税は、その土地や家屋の価値によって金額が変わります。

地価の高いエリアでは建物の価値も高くなりますので、それだけ固定資産税や都市計画税も高くなるのです。

マイホームのコスト②住宅設備の維持交換

当然のことですが、住宅にある設備は年を経るごとに劣化します。

賃貸の場合、一般的には貸し主がメンテナンスや修理を行うことになりますが、マイホームの場合はすべて自己負担でそれらを行わなければなりません。

キッチンやバスルーム、床暖房など、設備によっては非常に大きな出費となります。

マイホームのコスト③建物の維持修繕

建物の天井や壁などの維持や修繕も自己負担となります。

雨や雪の多い地域、海が近い地域などは、特に頻繁なメンテナンスが必要になるでしょう。

また、室内の壁や床なども、カビや水濡れなどが発生するため、メンテナンスや大規模なリフォームが必要となる可能性があります。

マイホームのコスト④移動にコストがかかる

マイホームを持つことによる大きなコストに、「移動コスト」があります。

どこに住んでいても移動するにはお金がかかるものですが、マイホームを所有するからこそのコストというものがあるのです。

引越しが面倒

賃貸であろうと引っ越しは面倒ですが、賃貸物件から賃貸物件に引っ越す場合、引っ越し費用以外にかかるものは敷金・礼金だけです。

しかし、マイホームの場合には「マイホームをどうするか」という問題が発生し、どれについてもまとまったコストがかかってしまうのです。

売却する場合…
売却のための手数料がかかる
売却によるお金は得られるが、適切な価格で売れなければ損失が出る

賃貸に出す場合…
大家としての業務が発生する。管理業務を委託する場合は手数料がかかる
新たな家のコスト+住宅ローンとなる
家賃収入が少なければ損失となる

空き家にする場合…
空き家を維持するための管理費用がかかる
新たな家のコスト+住宅ローンとなる

転勤になったら面倒

転勤の場合、上記の方法(売却/賃貸に出す/空き家にする)を選ばなければなりませんが、もしご家族がいる場合には、パートナーの就職や子どもの転校などについても考えなければなりません。

「単身赴任」という方法もありますが、生活の拠点が2つになることのコストは非常に大きくなります。

マイホームのコスト⑤莫大な初期投資

マイホームを購入する時点でも、初期費用がかかります。これは非常に大きな金額になり、生活を圧迫する危険性もあるため注意が必要です。

【マイホームの初期費用】
頭金(住宅の価格の10%~20%程度が目安)
※「頭金なし」といった売り込みもありますが、それだけ借り入れが多くなり、利子が増えてしまうため避けるべきだと考えられます。

  • 売主への手付金
  • 仲介手数料
  • 固定資産税、都市計画税
  • 不動産取得税
  • 印紙代(印紙税)
  • 登録免許税
  • 司法書士費用

これらに、引っ越し費用や後付けの設備代、設置費、家具の費用などもかかります。

もし必要ならマイホームを建てるべき

もし必要ならマイホームを建てるべき

以上のコスト発生を踏まえた上で、それでもマイホームが必要と考えるのであれば、資金計画を立ててみましょう。

「予算内であれば自分の希望通りに建てられる」という大きな魅力は持ち家だけにあるものです。

なお、高齢では長期の住宅ローンを組むのが難しくなります。自己資金をつくることも重要ですが、住宅ローンを組めるタイミングでなければ意味がなくなってしまいます。

マイホームご購入の方は専門家にご相談を

マイホームご購入の方は専門家にご相談を

「マイホーム購入を現実的に考えてみたい」という方は、ぜひファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。

  • いまの貯蓄でマイホームを買うならどれくらいの価格帯か?
  • 住宅ローンを組むのなら、どのようなタイプが適切か?
  • より有利な返済計画は?(繰り上げ返済など)

以上のような相談が可能です。

マイホーム購入はリスクが高いものですが、そのリスクを減らす方法もあります。

「収入に対して無理のない借り入れ」をするのであれば、マイホームも決して「夢ではない」のです。

マイホームか賃貸か。いまか、あるいは何年か後か。改めてじっくり考えてみてください。

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