家を借りるor買うに関わらず住宅手数料はついて回るもの。
あまりにも高いと不信感を抱いてしまいます。
そこで今回は賃貸と売買の両方について住宅手数料の相場をお伝えしていきます。
また、交渉して手数料を無料にする手段やマイホームを購入する際のコツについても発信していきますので是非ご覧ください。
そもそも仲介手数料がないケース
まず前提ですが、全ての物件に仲介手数料がついて回るわけではありません。
『仲介手数料』ですから、仲介されなければ払う義務のないコストです。
仲介手数料は、物件が決まった際、不動産業者に払う成功報酬だと覚えておきましょう。家主でなく不動産会社の報酬なのがポイント。
具体的に仲介手数料が不要なのは下記のような場合です。
- 個人から直接、戸建てを購入
- 住宅を建てた会社と販売する会社が同じ
- 注文住宅を建てる
など
このような場合は間に不動産業者が入る余地がないため、仲介手数料は発生しません。
賃貸の仲介手数料
続いて賃貸、つまり家を借りる場合の仲介手数料について確認していきましょう。
実は1ヶ月分が上限
借りる物件の候補が決まり、不動産会社から渡された見積もりにこう書かれているのを見た記憶がありませんか?
「※仲介手数料は家賃の1ヶ月分です」
実は、1ヶ月分も払う必要はありません。
家賃1ヶ月分の仲介手数料は不動産業者と借主(つまりあなた)が合意した前提の話です。
要するに合意しなければ100%の額を支払う義務はないのです。
あくまでも消費者から取れる上限の金額だと認識しておいてください。
仲介手数料無料の不動産会社もあり
元々、仲介手数料が無料の物件もあります。
繰り返しになりますが、貸主も同じ業者の場合などですね。
「仲介手数料無料」と掲載されているとイメージがよく、お得な感じもしますが、実際に無料になる物件数は少ないので注意が必要です。
売買(購入)の仲介手数料
賃貸と同じで、売買においても、契約が成立してから仲介手数料を支払う流れになります。
売買は少し手数料が複雑
賃貸と違って、売買は手数料上限額の計算が複雑になっています。
住宅の売買価格によって手数料が下記のように変わってきます。
▶︎売買時における仲介手数料の上限額
売買価格※ | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売買価格の5%以内+消費税 |
200万円超400万円以下の部分 | 売買価格の4%以内+消費税 |
400万円超の部分 | 売買価格の3%以内+消費税 |
参考URL:https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/money/chukaitesuryou_baibai/
SUUMOさんの『仲介手数料とは?家を売買するときにかかる仲介手数料って?』より引用させていただきました。
速算式での計算でもOK
上記のように物件を部分的に計算するのが面倒な場合、速算式という方法で簡易的に仲介手数料を産出することもできます。
▶︎速算式での計算方法
売買価格※ | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円超400万円以下の場合 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
400万円超の場合 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
参考:同記事
例を出して考えてみる
たびたび引用で恐縮ですが、「売買価格がこのくらいなら仲介手数料はこのくらい」という表をSUUMOさんが作っているため共有させていただきます。
▶︎売買価格別、不動産会社に払う仲介手数料の上限目安
売買価格※ | 仲介手数料の上限(A) | 消費税額(B) | 不動産会社に払う仲介手数料の上限目安(A+B) |
---|---|---|---|
1000万円 | 36万円 | 3万6000円 | 39万6000円 |
2000万円 | 66万円 | 6万6000円 | 72万6000円 |
3000万円 | 96万円 | 9万6000円 | 105万6000円 |
4000万円 | 126万円 | 12万6000円 | 138万6000円 |
5000万円 | 156万円 | 15万6000円 | 171万6000円 |
6000万円 | 186万円 | 18万6000円 | 204万6000円 |
7000万円 | 216万円 | 21万6000円 | 237万6000円 |
8000万円 | 246万円 | 24万6000円 | 270万6000円 |
9000万円 | 276万円 | 27万6000円 | 303万6000円 |
1億円 | 306万円 | 30万6000円 | 336万6000円 |
大変見やすく、勉強になります。
ご参考まで。
あくまで上限の料金
これまで説明してきた売買の仲介手数料も、あくまで上限額ということを覚えておいてくださいね。
余計なコストは極力抑えつつ快適な住まいを手に入れましょう。
「仲介手数料無料=良い」ではない
仲介手数料が安いあるいは無料だからといって、お得とは限りません。
つまり
- 他の費用でお金を取っている
- 人気のない物件だから無料にしている
- 親身になって対応してくれない
など、かえってデメリットが隠されている可能性が高いです。
住宅の購入や賃貸物件への引越しは大切なライフイベントの1つですので、耳障りの良い言葉に騙されないよう気をつけましょう。
信頼できる業者を選ぶ
ですので大切なのは信頼できる業者を選ぶこと。
仲介手数料だけに目を奪われると、トータルで損をしてしまい本末転倒になります。
損をしないために仲介手数料をあえてきちんと支払うのも手段のひとつです。
その場合は、繰り返しになりますが、最低限の額を支払えば十分です。
コストよりリセールバリューで考えよう
こちらは賃貸でなく、あくまでも不動産売買(購入)の話です。
マイホームを買う際はリセールバリュー、つまり売るときの価値を基準に考えるのがよいでしょう。
例えば以下の2つの物件があったとします。
- 物件A:住宅価格が3000万円で仲介手数料が無料
- 物件B:住宅価格が3000万円で仲介手数料が96万円
これなら物件Aを選ぶでしょう。
ですが下記のような条件が追加されたらどうでしょう。
- 物件A:10年後の売却価値が300万円
- 物件B:10年後の売却価値が2800万円
全員が物件Bを選ぶのではないでしょうか。
ここまで資産性に違いがあると仲介手数料なんてどうでもよくなってしまいますよね。
先ほどの「仲介手数料だけ見ると痛い目に合う」とは、このようなイメージです。
住宅の購入をご検討中の場合は以下の記事もチェックいただくと良いでしょう。
賃貸or購入問わず仲介手数料は交渉の余地あり
理想的なのは、仲介手数料があるけど信頼できる不動産会社に依頼することです。
賃貸や売買問わず、仲介手数料の交渉は可能な場合もあります。
強引に値切りすぎるとリスクもあるので、その点はご注意ください。
まとめ
今回は
- 仲介手数料があるケースとないケース
- 仲介手数料の決まり方
- 仲介手数料を下げる交渉術
などについて書いてきました。
再三申しますが、大切なのは仲介手数料だけに目を奪われないことです。
仲介手数料はあくまでも諸費用の中の1つ。
安くできると良いですが、物事を全体的かつ長期的に捉えることができると、最小限の投資で最大限のリターンが得やすくなるでしょう。